東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻 母性看護学・助産学分野

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大学院の講義科目

大学院の講義科目  

大学院 特論

母性看護学・助産学特論Ⅰ

母性看護学・助産学分野における現在のニーズ・課題、最新の研究の動向について把握し、今後の研究課題を考察するために必要な科学的思考を身につける。具体的には、根拠に基づく医療・看護と文献レビューの基本的な考え方および方法論について学ぶ。

4月11日(木) EBMの基本と考え方(春名)
4月18日(木) 文献レビューの基本的な考え方・方法論(春名)/演習(米澤)
4月22日(月) メタ解析の手法(大田)
5月13日(月) PICOから検索、バイアスの評価の方法:演習(大田)
5月23日(木) 量的研究の基礎(春名)/統計分析基礎(米澤)
7月11日(木) ライフコース疫学やエコチル・統計分析(竹内)

参考書
Higgins JPT, Green S (editors). Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventions Version 5.1.0 [updated March 2011]. The Cochrane Collaboration, 2011. Available fromwww.cochrane-handbook.org.
Sterne, J. A., Egger, M., & Smith, G. D. (2001). Systematic reviews in health care: investigating and dealing with publication and other biases in meta-analysis. BMJ: British Medical Journal, 323(7304), 101.
Midwifery, An Executive Summary for The Lancet’s Series. Lancet, 2014. 20;384(9948).
Maternal Health, An Executive Summary for The Lancet’s Series. Lancet, 2016. 29;388(10056)
諏訪敏幸. 看護研究者・医療研究者のための系統的文献検索概説.近畿病院図書室協議会. 2013.

 

母性看護学・助産学特論Ⅱ

母性看護・助産実践に関連する理論、モデルを学ぶとともに、研究計画の立案、論文作成に必要な知識・技術を身につける。具体的には、実際の研究例をもとに、研究の組み立て方、研究手法、論文作成方法等について学ぶ。さらに当分野におけるトピックスについての討論を通して、論理的な思考方法を学ぶ。

9月2日(月) 論理的な文章を書くために(春名)
9月5日(木) 論文のスタイル(田中)/ データ解析演習Ⅰ(春名・米澤)
9月12日(木) 海外をフィールドとした研究手法(加藤)
9月13日(金) データ解析演習Ⅱ(米澤)
9月17日(火) Publishing ethics(米澤)
9月19日(木) 助産学研究における科学と感性(松﨑)

参考書

Wayne C. Booth, Gregory G. Colomb, Joseph M. Williams. The Craft of Research (Chicago Guides to Writing, Editing, and Publishing) 2016.

Gary Blake, Robert W. Bly. Elements of Technical Writing (Longman; 1版) 1993.

William Strunk Jr., E. B. White. The Elements of Style, Fourth Edition. (Longman; 4版) 1999.

Thomas A. Lang著、宮崎喜久子・中山健夫訳、トムラングの医学論文「執筆・出版・発表」実践ガイド、シナジー

助産学教育コース講義

助産学Ⅰ

助産学の基本概念および助産師の役割と責務、倫理的課題を理解し、専門的自律能力を身に付け、国内外におけるこれからの助産師の役割を考える視点を養う。さらに助産学研究の意義や今後の方向性について考察する力を養う。
同時に、助産業務を安全に・円滑に遂行するために必要な助産管理・運営の原理と技法、法的側面についての知識を深め、助産師の社会的役割についての責務を理解する。さらに理論やモデルを踏まえ、助産師の様々な活動の評価、改善のための方策について学ぶ。

4月3日(水) 概論I  助産学の基本的概念・理念と助産の歴史・今後の動向 (春名)
4月8日(月) 概論Ⅱ 助産師の役割と機能および責務・助産管理の基本概念 (春名)
4月25日(木) クリニカルガイドライン/妊娠出産に関するガイドライン (臼井)
6月3日(月) 助産における医療安全(村上:オンライン)
6月10日(月) 看護医療政策の基本と実際(中村)
6月12日(水) 病院における助産管理 (石川)
2月3日(月) 助産院における助産管理 (岡本)

教科書
助産学講座1.基礎助産学 [1] 助産学概論(第6版), 医学書院
助産学講座2.基礎助産学 [2] 母子の基礎科学(第6版), 医学書院
助産学講座 10 助産管理(第6版), 医学書院

参考書
編集)厚生労働科学研究 妊娠出産ガイドライン研究班, 科学的根拠に基づく 快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン2013年版 (第1版)、金原出版, 東京.
 ※改訂版: http://sahswww.med.osaka-u.ac.jp/~osanguid/
日本産婦人科学会、日本産婦人科医会, 産婦人科診療ガイドライン2020
日本助産師会刊 「助産所開業マニュアル」
メディカ出版 「周産期管理・看護マニュアル-正常産からハイリスクまで」
村上明美(編):事例から学ぶ 産科医療補償制度と助産リスクマネジメント. 医歯薬出版
愛育病院 「マタニティノート」、日本助産師会刊 「助産所開業マニュアル」

助産学Ⅱ

助産診断および助産学研究に必要な性・生殖系の病態生理や不妊症、生殖補助医療、妊娠・分娩・産褥経過、胎児発育などについての医学的知識・判断力を養う。また周産期および更年期において、助産師が担う重要な相談・教育・援助活動をするための知識・技術を養う。

6月 17日(月) 婦人科・不妊治療看護(米澤)
7月2日(火) 最新の女性医療・疾病予防(症例検討)(齋藤)※対面演習
    (スメア採取・縫合演習)
7月2日(火) 最新の女性医療・疾病予防(基礎知識)(齋藤)
9月開講予定 性と生殖Ⅰ:正常月経周期・無月経・更年期ヘルスケア・子宮内膜症
9月開講予定 性と生殖Ⅱ:卵の成熟・精子の発生・受精・不妊症・生殖補助医療
9月開講予定 産科学Ⅰ:妊娠の診断・正常な妊娠経過・胎児発育・
妊娠に伴う心理社会的変化
9月開講予定 産科学Ⅱ:妊娠期の異常・診断・治療
9月開講予定 産科学Ⅲ:正常分娩・産褥経過

参考書

プリンシプル産科婦人科学 2. メジカルビュー社; 改訂版

助産学Ⅲ

妊娠前から妊娠期、産褥期にかけての周産期の女性の健康状態を診断し、適切なケアを行うための基礎的な知識、技術を学ぶ。ハイリスク妊産婦への助産ケア、周産期の女性の正常な経過の支援、異常を予測する臨床判断能力を養う。また助産学が対象とする女性の健康・健康増進への理解を深め、臨床課題を見つけ、科学的根拠に基づく助産ケアを考える力を養う。

4月4日(木) 正常妊婦のアセスメント(臼井)
5月29日(水) ハイリスク妊婦のアセスメントとケア(東大病院産科助産師) ※対面講義
5月30日(木) 産褥期のアセスメントと援助技術(田中)
6月6日(木) 正常妊婦の指導計画(田中)授乳期の援助(小曽根)
6月20日(木) 性と生殖Ⅱ:卵の成熟・精子の発生・受精・不妊症・生殖補助医療
6月24日(水) 産褥期のケア事例の展開、退院指導・沐浴指導(田中)
7月8日(月) 妊婦・褥婦のフィジカルアセスメント(全員)※対面演習

教科書

助産学講座 6 助産診断・技術学Ⅱ[1] 妊娠期(第6版), 医学書院
助産学講座 8 助産診断・技術学Ⅱ[3] 新生児期・乳幼児期(第6版), 医学書院
仁志田博司、新生児学入門(第6版), 医学書院

参考書
プリンシプル産科婦人科学 2. メジカルビュー社; 改訂版
編集)厚生労働科学研究 妊娠出産ガイドライン研究班, 科学的根拠に基づく
快適で安全な妊娠出産のためのガイドライン2013年版 (第1版)、金原出版.

助産学Ⅳ

分娩期を中心とした産婦・褥婦、および胎児・新生児の健康状態を診断し、適切なケア技術を実施するための基礎的な知識・技術を学ぶ。さらに、安全、安心、快適、満足なお産の実現に向けたケアの創造と、それを実施できる知識と技術を養う。また分娩時ケアを評価・改善するために必要な方法・技術について考察する力を養う。

4月10日(水) 分娩期アセスメント:経過の予測診断技術(米澤)
4月15日(月) 分娩介助技術(1):直接介助法(基本的分娩介助法)
・間接介助法(分娩直後の新生児の看護)(米澤)
4月15日(月) 分娩介助技術 演習①:直接介助法(基本的分娩介助法)・間接介助
(分娩直後の新生児の看護)デモンストレーション(米澤・臼井) ※対面演習
4月25日(木) 分娩介助技術(2):異常分娩・産科処置(臼井)
6月19日(水) 産科処置/硬膜外麻酔分娩のケア(加藤) ※対面
6月19日(水) 分娩介助演習、評価(愛育病院:対面)
7月4日(木) 分娩介助技術, 演習:フリースタイル分娩(中根) ※対面演習
9月18日(水) 分娩介助技術(3):臨地での分娩介助法(東大病院産科助産師) ※対面演習
9月18日(水) 分娩介助技術 演習②:臨地での分娩介助デモンストレーション、
間接介助法、帰室時までの看護(米澤・田中) ※対面演習
9月18日(水) 出血への緊急対応(田中) ※対面演習

教科書
助産学講座3 基礎助産学[3] 母子の健康科学(第6版),医学書院
助産学講座7 助産診断・技術学Ⅱ[2] 分娩期・産褥期(第6版), 医学書院
助産学講座8 助産診断・技術学Ⅱ[3] 新生児期・乳幼児期(第6版), 医学書院

参考書
馬場一憲、基礎から学ぶ産婦人科超音波診断、東京医学社
我部山キヨ子/大石時子、助産師のためのフィジカルイグザミネーション、医学書院

助産学Ⅴ

妊娠・分娩・産褥期における助産診断・援助技術について、その理論的裏付けを考えるとともに、実際に援助できる技術を身に付ける。有効な助産技術について評価・改善する方法についても考察する。さらに緊急時の対応についても学び、継続学習につなげられる力を養う。 具体的な援助技術を理解し、身につける。また、ケアの科学的根拠についても把握し、期待される効果について予測するとともに、改善のために必要な研究的アプローチについても考察できる力を養う。

5月16日(木) 分娩管理:胎児心拍モニタリング(米澤)
5月22日(水) 事例による助産計画の展開・分娩期初期アセスメント事例展開(米澤)
5月27日(月) 遺伝相談・不妊治療・出生前診断における助産ケア(基礎知識・事例検討)(小笹)
6月27日(木) 新生児蘇生技術(NCPR Aコース:5時間)(東大病院NICU看護師) ※対面演習
6月27日(木) NICUでの児と家族の看護(東大病院NICU看護師) ※対面講義
7月10日(水) 分娩介助技術 演習③:超音波診断技術 (瀬山)※対面演習

教科書
助産学講座 4 基礎助産学 [4] 母子の心理・社会学(第6版), 医学書院
助産学講座 5 助産診断・技術学Ⅰ(第6版), 医学書院
助産学講座 6 助産診断・技術学Ⅱ[1] 妊娠期(第6版), 医学書院
助産学講座 7 助産診断・技術学Ⅱ[2] 分娩期・産褥期(第6版), 医学書院
助産学講座 8 助産診断・技術学Ⅱ[3] 新生児期・乳幼児期(第6版), 医学書院
仁志田博司, 新生児学入門(第6版), 医学書院
細野茂春, 日本版救急蘇生ガイドライン2020に基づく新生児蘇生法テキスト
(第5版)メジカルビュー社
藤森敬也 「胎児心拍数モニタリング講座」改訂2版、メディカ出版
村田雄二 編著「周産期の生理学」メディカ出版

 

助産学Ⅵ

地域における母子支援を展開していくための知識、アセスメント能力・技術を養う。特に、産後うつ等の周産期におけるメンタルヘルスの支援を行うことができる心理的援助技術を身に着ける。地域における助産師の継続ケア、保健師と助産師を中心とした多職種連携による健康危機管理、社会資源や制度、メンタルヘルスへの支援方法、虐待予防やDV予防、災害時の母子支援の実際について学び、考察する力を養う。また、家庭における新生児・乳児の健康状態をアセスメントするために、正常およびハイリスク新生児についての基礎的な知識を学び、理解するとともに、母子や家族への適切なアセスメント能力を養う。

4月17日(水) 周産期メンタルヘルス(心理的援助技法Ⅰ)(臼井)
4月24日(水) 正常新生児の生理と観察のポイント(米澤)
5月8日(水) 産褥期・乳児期のアセスメントと援助技術・地域での役割(加藤)
5月15日(水) 地域における家族形成期の助産師の役割(DV/虐待予防)(春名)
5月15日(水) 正常新生児・ハイリスク新生児の観察とケアのポイント(米澤)
5月20日(月) 周産期メンタルヘルス(精神疾患の概念とアセスメント)(安田)
7月4日(木) 災害時の母子支援(中根)
1月21日(火) 周産期メンタルヘルス(心理的援助技法Ⅱ)(安田) 

教科書
助産学講座7 助産診断・技術学Ⅱ[2] 分娩期・産褥期(第6版), 医学書院
助産学講座8 助産診断・技術学Ⅱ[3] 新生児期・乳幼児期(第6版), 医学書院

参考書
仁志田 博司,新生児学入門 第5版 医学書院,2018

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